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Chapter 1
It is a truth universally acknowledged, that a single man in possession of a good fortune, must be in want of a wife.
However little known the feelings or views of such a man may be on his first entering a neighbourhood, this truth is so well fixed in the minds of the surrounding families, that he is considered as the rightful property of some one or other of their daughters.
“My dear Mr. Bennet,” said his lady to him one day, “have you heard that Netherfield Park is let at last?”
Mr. Bennet replied that he had not.
“But it is,” returned she; “for Mrs. Long has just been here, and she told me all about it.”
Mr. Bennet made no answer.
“Do not you want to know who has taken it?” cried his wife impatiently.
“_You_ want to tell me, and I have no objection to hearing it.”
This was invitation enough.
“Why, my dear, you must know, Mrs. Long says that Netherfield is taken by a young man of large fortune from the north of England; that he came down on Monday in a chaise and four to see the place, and was so much delighted with it that he agreed with Mr. Morris immediately; that he is to take possession before Michaelmas, and some of his servants are to be in the house by the end of next week.”
“What is his name?”
“Bingley.”
“Is he married or single?”
“Oh! single, my dear, to be sure! A single man of large fortune; four or five thousand a year. What a fine thing for our girls!”
“How so? how can it affect them?”
“My dear Mr. Bennet,” replied his wife, “how can you be so tiresome! You must know that I am thinking of his marrying one of them.”
“Is that his de# settling here?”
“Design! nonsense, how can you talk so! But it is very likely that he _may_ fall in love with one of them, and therefore you must visit him as soon as he comes.”
“I see no occasion for that. You and the girls may go, or you may send them by themselves, which perhaps will be still better, for as you are as handsome as any of them, Mr. Bingley might like you the best of the party.”
“My dear, you flatter me. I certainly _have_ had my share of beauty, but I do not pretend to be anything extraordinary now. When a woman has five grown-up daughters, she ought to give over thinking of her own beauty.”
“In such cases, a woman has not often much beauty to think of.”
“But, my dear, you must indeed go and see Mr. Bingley when he comes into the neighbourhood.”
“It is more than I engage for, I assure you.”
“But consider your daughters. Only think what an establishment it would be for one of them. Sir William and Lady Lucas are determined to go, merely on that account, for in general, you know, they visit no newcomers. Indeed you must go, for it will be impossible for _us_ to visit him, if you do not.”
“You are over scrupulous, surely. I dare say Mr. Bingley will be very glad to see you; and I will send a few lines by you to assure him of my hearty consent to his marrying whichever he chooses of the girls; though I must throw in a good word for my little Lizzy.”
“I desire you will do no such thing. Lizzy is not a bit better than the others; and I am sure she is not half so handsome as Jane, nor half so good-humoured as Lydia. But you are always giving _her_ the preference.”
“They have none of them much to recommend them,” replied he; “they are all silly and ignorant like other girls; but Lizzy has something more of quickness than her sisters.”
“Mr. Bennet, how can you abuse your own children in such a way? You take delight in vexing me. You have no compassion on my poor nerves.”
“You mistake me, my dear. I have a high respect for your nerves. They are my old friends. I have heard you mention them with consideration these twenty years at least.”
“Ah, you do not know what I suffer.”
“But I hope you will get over it, and live to see many young men of four thousand a year come into the neighbourhood.”
“It will be no use to us, if twenty such should come, since you will not visit them.”
“Depend upon it, my dear, that when there are twenty, I will visit them all.”
Mr. Bennet was so odd a mixture of quick parts, sarcastic humour, reserve, and caprice, that the experience of three-and-twenty years had been insufficient to make his wife understand his character. _Her_ mind was less difficult to develop. She was a woman of mean understanding, little information, and uncertain temper. When she was discontented, she fancied herself nervous. The business of her life was to get her daughters married; its solace was visiting and news.
[#8字下げ]一[#「一」は中見出し]
吾輩《わがはい》は猫である。名前はまだ無い。
どこで生れたかとんと見当《けんとう》がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。吾輩はここで始めて人間というものを見た。しかもあとで聞くとそれは書生という人間中で一番|獰悪《どうあく》な種族であったそうだ。この書生というのは時々我々を捕《つかま》えて煮《に》て食うという話である。しかしその当時は何という考もなかったから別段恐しいとも思わなかった。ただ彼の掌《てのひら》に載せられてスーと持ち上げられた時何だかフワフワした感じがあったばかりである。掌の上で少し落ちついて書生の顔を見たのがいわゆる人間というものの見始《みはじめ》であろう。この時妙なものだと思った感じが今でも残っている。第一毛をもって装飾されべきはずの顔がつるつるしてまるで薬缶《やかん》だ。その後《ご》猫にもだいぶ逢《あ》ったがこんな片輪《かたわ》には一度も出会《でく》わした事がない。のみならず顔の真中があまりに突起している。そうしてその穴の中から時々ぷうぷうと煙《けむり》を吹く。どうも咽《む》せぽくて実に弱った。これが人間の飲む煙草《たばこ》というものである事はようやくこの頃知った。
この書生の掌の裏《うち》でしばらくはよい心持に坐っておったが、しばらくすると非常な速力で運転し始めた。書生が動くのか自分だけが動くのか分らないが無暗《むやみ》に眼が廻る。胸が悪くなる。到底《とうてい》助からないと思っていると、どさりと音がして眼から火が出た。それまでは記憶しているがあとは何の事やらいくら考え出そうとしても分らない。
ふと気が付いて見ると書生はいない。たくさんおった兄弟が一|疋《ぴき》も見えぬ。肝心《かんじん》の母親さえ姿を隠してしまった。その上|今《いま》までの所とは違って無暗《むやみ》に明るい。眼を明いていられぬくらいだ。はてな何でも容子《ようす》がおかしいと、のそのそ這《は》い出して見ると非常に痛い。吾輩は藁《わら》の上から急に笹原の中へ棄てられたのである。
ようやくの思いで笹原を這い出すと向うに大きな池がある。吾輩は池の前に坐ってどうしたらよかろうと考えて見た。別にこれという分別《ふんべつ》も出ない。しばらくして泣いたら書生がまた迎に来てくれるかと考え付いた。ニャー、ニャーと試みにやって見たが誰も来ない。そのうち池の上をさらさらと風が渡って日が暮れかかる。腹が非常に減って来た。泣きたくても声が出ない。仕方がない、何でもよいから食物《くいもの》のある所まであるこうと決心をしてそろりそろりと池を左《ひだ》りに廻り始めた。どうも非常に苦しい。そこを我慢して無理やりに這《は》って行くとようやくの事で何となく人間臭い所へ出た。ここへ這入《はい》ったら、どうにかなると思って竹垣の崩《くず》れた穴から、とある邸内にもぐり込んだ。縁は不思議なもので、もしこの竹垣が破れていなかったなら、吾輩はついに路傍《ろぼう》に餓死《がし》したかも知れんのである。一樹の蔭とはよく云《い》ったものだ。この垣根の穴は今日《こんにち》に至るまで吾輩が隣家《となり》の三毛を訪問する時の通路になっている。さて邸《やしき》へは忍び込んだもののこれから先どうして善《い》いか分らない。そのうちに暗くなる、腹は減る、寒さは寒し、雨が降って来るという始末でもう一刻の猶予《ゆうよ》が出来なくなった。仕方がないからとにかく明るくて暖かそうな方へ方へとあるいて行く。今から考えるとその時はすでに家の内に這入っておったのだ。ここで吾輩は彼《か》の書生以外の人間を再び見るべき機会に遭遇《そうぐう》したのである。第一に逢ったのがおさんである。これは前の書生より一層乱暴な方で吾輩を見るや否やいきなり頸筋《くびすじ》をつかんで表へ抛《ほう》り出した。いやこれは駄目だと思ったから眼をねぶって運を天に任せていた。しかしひもじいのと寒いのにはどうしても我慢が出来ん。吾輩は再びおさんの隙《すき》を見て台所へ這《は》い上《あが》った。すると間もなくまた投げ出された。吾輩は投げ出されては這い上り、這い上っては投げ出され、何でも同じ事を四五遍繰り返したのを記憶している。その時におさんと云う者はつくづくいやになった。この間おさんの三馬《さんま》を偸《ぬす》んでこの返報をしてやってから、やっと胸の痞《つかえ》が下りた。吾輩が最後につまみ出されようとしたときに、この家《うち》の主人が騒々しい何だといいながら出て来た。下女は吾輩をぶら下げて主人の方へ向けてこの宿《やど》なしの小猫がいくら出しても出しても御台所《おだいどころ》へ上《あが》って来て困りますという。主人は鼻の下の黒い毛を撚《ひね》りながら吾輩の顔をしばらく眺《なが》めておったが、やがてそんなら内へ置いてやれといったまま奥へ這入《はい》ってしまった。主人はあまり口を聞かぬ人と見えた。下女は口惜《くや》しそうに吾輩を台所へ抛《ほう》り出した。かくして吾輩はついにこの家《うち》を自分の住家《すみか》と極《き》める事にしたのである。
吾輩の主人は滅多《めった》に吾輩と顔を合せる事がない。職業は教師だそうだ。学校から帰ると終日書斎に這入ったぎりほとんど出て来る事がない。家のものは大変な勉強家だと思っている。当人も勉強家であるかのごとく見せている。しかし実際はうちのものがいうような勤勉家ではない。吾輩は時々忍び足に彼の書斎を覗《のぞ》いて見るが、彼はよく昼寝《ひるね》をしている事がある。時々読みかけてある本の上に涎《よだれ》をたらしている。彼は胃弱で皮膚の色が淡黄色《たんこうしょく》を帯びて弾力のない不活溌《ふかっぱつ》な徴候をあらわしている。その癖に大飯を食う。大飯を食った後《あと》でタカジヤスターゼを飲む。飲んだ後で書物をひろげる。二三ページ読むと眠くなる。涎を本の上へ垂らす。これが彼の毎夜繰り返す日課である。吾輩は猫ながら時々考える事がある。教師というものは実に楽《らく》なものだ。人間と生れたら教師となるに限る。こんなに寝ていて勤まるものなら猫にでも出来ぬ事はないと。それでも主人に云わせると教師ほどつらいものはないそうで彼は友達が来る度《たび》に何とかかんとか不平を鳴らしている。
吾輩がこの家へ住み込んだ当時は、主人以外のものにははなはだ不人望であった。どこへ行っても跳《は》ね付けられて相手にしてくれ手がなかった。いかに珍重されなかったかは、今日《こんにち》に至るまで名前さえつけてくれないのでも分る。吾輩は仕方がないから、出来得る限り吾輩を入れてくれた主人の傍《そば》にいる事をつとめた。朝主人が新聞を読むときは必ず彼の膝《ひざ》の上に乗る。彼が昼寝をするときは必ずその背中《せなか》に乗る。これはあながち主人が好きという訳ではないが別に構い手がなかったからやむを得んのである。その後いろいろ経験の上、朝は飯櫃《めしびつ》の上、夜は炬燵《こたつ》の上、天気のよい昼は椽側《えんがわ》へ寝る事とした。しかし一番心持の好いのは夜《よ》に入《い》ってここのうちの小供の寝床へもぐり込んでいっしょにねる事である。この小供というのは五つと三つで夜になると二人が一つ床へ入《はい》って一間《ひとま》へ寝る。吾輩はいつでも彼等の中間に己《おの》れを容《い》るべき余地を見出《みいだ》してどうにか、こうにか割り込むのであるが、運悪く小供の一人が眼を醒《さ》ますが最後大変な事になる。小供は――ことに小さい方が質《たち》がわるい――猫が来た猫が来たといって夜中でも何でも大きな声で泣き出すのである。すると例の神経胃弱性の主人は必《かなら》ず眼をさまして次の部屋から飛び出してくる。現にせんだってなどは物指《ものさし》で尻ぺたをひどく叩《たた》かれた。
吾輩は人間と同居して彼等を観察すればするほど、彼等は我儘《わがまま》なものだと断言せざるを得ないようになった。ことに吾輩が時々|同衾《どうきん》する小供のごときに至っては言語同断《ごんごどうだん》である。自分の勝手な時は人を逆さにしたり、頭へ袋をかぶせたり、抛《ほう》り出したり、へっつい[#「へっつい」に傍点]の中へ押し込んだりする。しかも吾輩の方で少しでも手出しをしようものなら家内《かない》総がかりで追い廻して迫害を加える。この間もちょっと畳で爪を磨《と》いだら細君が非常に怒《おこ》ってそれから容易に座敷へ入《い》れない。台所の板の間で他《ひと》が顫《ふる》えていても一向《いっこう》平気なものである。吾輩の尊敬する筋向《すじむこう》の白君などは逢《あ》う度毎《たびごと》に人間ほど不人情なものはないと言っておらるる。白君は先日玉のような子猫を四疋|産《う》まれたのである。ところがそこの家《うち》の書生が三日目にそいつを裏の池へ持って行って四疋ながら棄てて来たそうだ。白君は涙を流してその一部始終を話した上、どうしても我等|猫族《ねこぞく》が親子の愛を完《まった》くして美しい家族的生活をするには人間と戦ってこれを剿滅《そうめつ》せねばならぬといわれた。一々もっともの議論と思う。また隣りの三毛《みけ》君などは人間が所有権という事を解していないといって大《おおい》に憤慨している。元来我々同族間では目刺《めざし》の頭でも鰡《ぼら》の臍《へそ》でも一番先に見付けたものがこれを食う権利があるものとなっている。もし相手がこの規約を守らなければ腕力に訴えて善《よ》いくらいのものだ。しかるに彼等人間は毫《ごう》もこの観念がないと見えて我等が見付けた御馳走は必ず彼等のために掠奪《りゃくだつ》せらるるのである。彼等はその強力を頼んで正当に吾人が食い得べきものを奪《うば》ってすましている。白君は軍人の家におり三毛君は代言の主人を持っている。吾輩は教師の家に住んでいるだけ、こんな事に関すると両君よりもむしろ楽天である。ただその日その日がどうにかこうにか送られればよい。いくら人間だって、そういつまでも栄える事もあるまい。まあ気を永く猫の時節を待つがよかろう。
我儘《わがまま》で思い出したからちょっと吾輩の家の主人がこの我儘で失敗した話をしよう。元来この主人は何といって人に勝《すぐ》れて出来る事もないが、何にでもよく手を出したがる。俳句をやってほととぎす[#「ほととぎす」に傍点]へ投書をしたり、新体詩を明星[#「明星」に傍点]へ出したり、間違いだらけの英文をかいたり、時によると弓に凝《こ》ったり、謡《うたい》を習ったり、またあるときはヴァイオリンなどをブーブー鳴らしたりするが、気の毒な事には、どれもこれも物になっておらん。その癖やり出すと胃弱の癖にいやに熱心だ。後架《こうか》の中で謡をうたって、近所で後架先生《こうかせんせい》と渾名《あだな》をつけられているにも関せず一向《いっこう》平気なもので、やはりこれは平《たいら》の宗盛《むねもり》にて候《そうろう》を繰返している。みんながそら宗盛だと吹き出すくらいである。この主人がどういう考になったものか吾輩の住み込んでから一月ばかり後《のち》のある月の月給日に、大きな包みを提《さ》げてあわただしく帰って来た。何を買って来たのかと思うと水彩絵具と毛筆とワットマンという紙で今日から謡や俳句をやめて絵をかく決心と見えた。果して翌日から当分の間というものは毎日毎日書斎で昼寝もしないで絵ばかりかいている。しかしそのかき上げたものを見ると何をかいたものやら誰にも鑑定がつかない。当人もあまり甘《うま》くないと思ったものか、ある日その友人で美学とかをやっている人が来た時に下《しも》のような話をしているのを聞いた。
「どうも甘《うま》くかけないものだね。人のを見ると何でもないようだが自《みずか》ら筆をとって見ると今更《いまさら》のようにむずかしく感ずる」これは主人の述懐《じゅっかい》である。なるほど詐《いつわ》りのない処だ。彼の友は金縁の眼鏡越《めがねごし》に主人の顔を見ながら、「そう初めから上手にはかけないさ、第一室内の想像ばかりで画《え》がかける訳のものではない。昔《むか》し以太利《イタリー》の大家アンドレア・デル・サルトが言った事がある。画をかくなら何でも自然その物を写せ。天に星辰《せいしん》あり。地に露華《ろか》あり。飛ぶに禽《とり》あり。走るに獣《けもの》あり。池に金魚あり。枯木《こぼく》に寒鴉《かんあ》あり。自然はこれ一幅の大活画《だいかつが》なりと。どうだ君も画らしい画をかこうと思うならちと写生をしたら」
「へえアンドレア・デル・サルトがそんな事をいった事があるかい。ちっとも知らなかった。なるほどこりゃもっともだ。実にその通りだ」と主人は無暗《むやみ》に感心している。金縁の裏には嘲《あざ》けるような笑《わらい》が見えた。
その翌日吾輩は例のごとく椽側《えんがわ》に出て心持善く昼寝《ひるね》をしていたら、主人が例になく書斎から出て来て吾輩の後《うし》ろで何かしきりにやっている。ふと眼が覚《さ》めて何をしているかと一分《いちぶ》ばかり細目に眼をあけて見ると、彼は余念もなくアンドレア・デル・サルトを極《き》め込んでいる。吾輩はこの有様を見て覚えず失笑するのを禁じ得なかった。彼は彼の友に揶揄《やゆ》せられたる結果としてまず手初めに吾輩を写生しつつあるのである。吾輩はすでに十分《じゅうぶん》寝た。欠伸《あくび》がしたくてたまらない。しかしせっかく主人が熱心に筆を執《と》っているのを動いては気の毒だと思って、じっと辛棒《しんぼう》しておった。彼は今吾輩の輪廓をかき上げて顔のあたりを色彩《いろど》っている。吾輩は自白する。吾輩は猫として決して上乗の出来ではない。背といい毛並といい顔の造作といいあえて他の猫に勝《まさ》るとは決して思っておらん。しかしいくら不器量の吾輩でも、今吾輩の主人に描《えが》き出されつつあるような妙な姿とは、どうしても思われない。第一色が違う。吾輩は波斯産《ペルシャさん》の猫のごとく黄を含める淡灰色に漆《うるし》のごとき斑入《ふい》りの皮膚を有している。これだけは誰が見ても疑うべからざる事実と思う。しかるに今主人の彩色を見ると、黄でもなければ黒でもない、灰色でもなければ褐色《とびいろ》でもない、さればとてこれらを交ぜた色でもない。ただ一種の色であるというよりほかに評し方のない色である。その上不思議な事は眼がない。もっともこれは寝ているところを写生したのだから無理もないが眼らしい所さえ見えないから盲猫《めくら》だか寝ている猫だか判然しないのである。吾輩は心中ひそかにいくらアンドレア・デル・サルトでもこれではしようがないと思った。しかしその熱心には感服せざるを得ない。なるべくなら動かずにおってやりたいと思ったが、さっきから小便が催うしている。身内《みうち》の筋肉はむずむずする。最早《もはや》一分も猶予《ゆうよ》が出来ぬ仕儀《しぎ》となったから、やむをえず失敬して両足を前へ存分のして、首を低く押し出してあーあと大《だい》なる欠伸をした。さてこうなって見ると、もうおとなしくしていても仕方がない。どうせ主人の予定は打《ぶ》ち壊《こ》わしたのだから、ついでに裏へ行って用を足《た》そうと思ってのそのそ這い出した。すると主人は失望と怒りを掻《か》き交ぜたような声をして、座敷の中から「この馬鹿野郎」と怒鳴《どな》った。この主人は人を罵《ののし》るときは必ず馬鹿野郎というのが癖である。ほかに悪口の言いようを知らないのだから仕方がないが、今まで辛棒した人の気も知らないで、無暗《むやみ》に馬鹿野郎|呼《よば》わりは失敬だと思う。それも平生吾輩が彼の背中《せなか》へ乗る時に少しは好い顔でもするならこの漫罵《まんば》も甘んじて受けるが、こっちの便利になる事は何一つ快くしてくれた事もないのに、小便に立ったのを馬鹿野郎とは酷《ひど》い。元来人間というものは自己の力量に慢じてみんな増長している。少し人間より強いものが出て来て窘《いじ》めてやらなくてはこの先どこまで増長するか分らない。
我儘《わがまま》もこのくらいなら我慢するが吾輩は人間の不徳についてこれよりも数倍悲しむべき報道を耳にした事がある。
吾輩の家の裏に十坪ばかりの茶園《ちゃえん》がある。広くはないが瀟洒《さっぱり》とした心持ち好く日の当《あた》る所だ。うちの小供があまり騒いで楽々昼寝の出来ない時や、あまり退屈で腹加減のよくない折などは、吾輩はいつでもここへ出て浩然《こうぜん》の気を養うのが例である。ある小春の穏かな日の二時頃であったが、吾輩は昼飯後《ちゅうはんご》快よく一睡した後《のち》、運動かたがたこの茶園へと歩《ほ》を運ばした。茶の木の根を一本一本嗅ぎながら、西側の杉垣のそばまでくると、枯菊を押し倒してその上に大きな猫が前後不覚に寝ている。彼は吾輩の近づくのも一向《いっこう》心付かざるごとく、また心付くも無頓着なるごとく、大きな鼾《いびき》をして長々と体を横《よこた》えて眠っている。他《ひと》の庭内に忍び入りたるものがかくまで平気に睡《ねむ》られるものかと、吾輩は窃《ひそ》かにその大胆なる度胸に驚かざるを得なかった。彼は純粋の黒猫である。わずかに午《ご》を過ぎたる太陽は、透明なる光線を彼の皮膚の上に抛《な》げかけて、きらきらする柔毛《にこげ》の間より眼に見えぬ炎でも燃《も》え出《い》ずるように思われた。彼は猫中の大王とも云うべきほどの偉大なる体格を有している。吾輩の倍はたしかにある。吾輩は嘆賞の念と、好奇の心に前後を忘れて彼の前に佇立《ちょりつ》して余念もなく眺《なが》めていると、静かなる小春の風が、杉垣の上から出たる梧桐《ごとう》の枝を軽《かろ》く誘ってばらばらと二三枚の葉が枯菊の茂みに落ちた。大王はかっとその真丸《まんまる》の眼を開いた。今でも記憶している。その眼は人間の珍重する琥珀《こはく》というものよりも遥《はる》かに美しく輝いていた。彼は身動きもしない。双眸《そうぼう》の奥から射るごとき光を吾輩の矮小《わいしょう》なる額《ひたい》の上にあつめて、御めえ[#「御めえ」に傍点]は一体何だと云った。大王にしては少々言葉が卑《いや》しいと思ったが何しろその声の底に犬をも挫《ひ》しぐべき力が籠《こも》っているので吾輩は少なからず恐れを抱《いだ》いた。しかし挨拶《あいさつ》をしないと険呑《けんのん》だと思ったから「吾輩は猫である。名前はまだない」となるべく平気を装《よそお》って冷然と答えた。しかしこの時吾輩の心臓はたしかに平時よりも烈しく鼓動しておった。彼は大《おおい》に軽蔑《けいべつ》せる調子で「何、猫だ? 猫が聞いてあきれらあ。全《ぜん》てえどこに住んでるんだ」随分|傍若無人《ぼうじゃくぶじん》である。「吾輩はここの教師の家《うち》にいるのだ」「どうせそんな事だろうと思った。いやに瘠《や》せてるじゃねえか」と大王だけに気焔《きえん》を吹きかける。言葉付から察するとどうも良家の猫とも思われない。しかしその膏切《あぶらぎ》って肥満しているところを見ると御馳走を食ってるらしい、豊かに暮しているらしい。吾輩は「そう云う君は一体誰だい」と聞かざるを得なかった。「己《お》れあ車屋の黒《くろ》よ」昂然《こうぜん》たるものだ。車屋の黒はこの近辺で知らぬ者なき乱暴猫である。しかし車屋だけに強いばかりでちっとも教育がないからあまり誰も交際しない。同盟敬遠主義の的《まと》になっている奴だ。吾輩は彼の名を聞いて少々尻こそばゆき感じを起すと同時に、一方では少々|軽侮《けいぶ》の念も生じたのである。吾輩はまず彼がどのくらい無学であるかを試《ため》してみようと思って左《さ》の問答をして見た。
「一体車屋と教師とはどっちがえらいだろう」
「車屋の方が強いに極《きま》っていらあな。御めえ[#「御めえ」に傍点]のうち[#「うち」に傍点]の主人を見ねえ、まるで骨と皮ばかりだぜ」
「君も車屋の猫だけに大分《だいぶ》強そうだ。車屋にいると御馳走《ごちそう》が食えると見えるね」
「何《なあ》におれ[#「おれ」に傍点]なんざ、どこの国へ行ったって食い物に不自由はしねえつもりだ。御めえ[#「御めえ」に傍点]なんかも茶畠《ちゃばたけ》ばかりぐるぐる廻っていねえで、ちっと己《おれ》の後《あと》へくっ付いて来て見ねえ。一と月とたたねえうちに見違えるように太れるぜ」
「追ってそう願う事にしよう。しかし家《うち》は教師の方が車屋より大きいのに住んでいるように思われる」
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始計第一
孫子曰:兵者,國之大事,死生之地,存亡之道,不可不察也。
故經之以五事,校之以計,而索其情:一曰道,二曰天,三曰地,四曰將,五曰法。
道者,令民與上同意,可與之死,可與之生,而不畏危也;天者,陰陽、寒暑、時制也;地者,遠近、險易、廣狹、死生也;將者,智、信、仁、勇、嚴也;法者,曲制、官道、主用也。凡此五者,將莫不聞,知之者勝,不知者不勝。
故校之以計,而索其情,曰:主孰有道?將孰有能?天地孰得?法令孰行?兵眾孰強?士卒孰練?賞罰孰明?吾以此知勝負矣。
將聽吾計,用之必勝,留之;將不聽吾計,用之必敗,去之。
計利以聽,乃為之勢,以佐其外。勢者,因利而制權也。
兵者,詭道也。故能而示之不能,用而示之不用,近而示之遠,遠而示之近。利而誘之,亂而取之,實而備之,強而避之,怒而撓之,卑而驕之,佚而勞之,親而離之,攻其無備,出其不意。此兵家之勝,不可先傳也。
夫未戰而廟算勝者,得算多也;未戰而廟算不勝者,得算少也。多算勝,少算不勝,而況無算乎!吾以此觀之,勝負見矣。
作戰第二
孫子曰:凡用兵之法,馳車千駟,革車千乘,帶甲十萬,千里饋糧。則內外之費,賓客之用,膠漆之材,車甲之奉,日費千金,然後十萬之師舉矣。
其用戰也,貴勝,久則鈍兵挫銳,攻城則力屈,久暴師則國用不足。夫鈍兵挫銳,屈力殫貨,則諸侯乘其弊而起,雖有智者,不能善其後矣。故兵聞拙速,未睹巧之久也。夫兵久而國利者,未之有也。故不盡知用兵之害者,則不能盡知用兵之利也。
善用兵者,役不再籍,糧不三載,取用於國,因糧於敵,故軍食可足也。國之貧於師者遠輸,遠輸則百姓貧;近於師者貴賣,貴賣則百姓竭,財竭則急於丘役。力屈財殫,中原內虛於家,百姓之費,十去其七;公家之費,破軍罷馬,甲胄矢弩,戟楯矛櫓,丘牛大車,十去其六。
故智將務食於敵,食敵一鍾,當吾二十鍾;萁稈一石,當吾二十石。故殺敵者,怒也;取敵之利者,貨也。故車戰,得車十乘以上,賞其先得者,而更其旌旗。車雜而乘之,卒善而養之,是謂勝敵而益強。
故兵貴勝,不貴久。故知兵之將,民之司命。國家安危之主也。
謀攻第三
孫子曰:凡用兵之法,全國為上,破國次之;全軍為上,破軍次之;全旅為上,破旅次之;全卒為上,破卒次之;全伍為上,破伍次之。是故百戰百勝,非善之善者也;不戰而屈人之兵,善之善者也。
故上兵伐謀,其次伐交,其次伐兵,其下攻城。攻城之法,為不得已。修櫓轒轀,具器械,三月而後成;距闉,又三月而後已。將不勝其忿,而蟻附之,殺士三分之一,而城不拔者,此攻之災也。
故善用兵者,屈人之兵,而非戰也,拔人之城而非攻也,毀人之國而非久也,必以全爭於天下,故兵不頓而利可全,此謀攻之法也。
故用兵之法,十則圍之,五則攻之,倍則分之,敵則能戰之,少則能逃之,不若則能避之。故小敵之堅,大敵之擒也。
夫將者,國之輔也。輔周則國必強,輔隙則國必弱。故君之所以患於軍者三:不知軍之不可以進而謂之進,不知軍之不可以退而謂之退,是謂縻軍;不知三軍之事,而同三軍之政,則軍士惑矣;不知三軍之權,而同三軍之任,則軍士疑矣。三軍既惑且疑,則諸侯之難至矣。是謂亂軍引勝。
故知勝有五:知可以戰與不可以戰者,勝。識眾寡之用者,勝。上下同欲者,勝。以虞待不虞者,勝。將能而君不御者,勝。此五者,知勝之道也。
故曰:知己知彼,百戰不貽;不知彼而知己,一勝一負;不知彼不知己,每戰必敗。
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Chapter 42
Had Elizabeth’s opinion been all drawn from her own family, she could not have formed a very pleasing opinion of conjugal felicity or domestic comfort. Her father, captivated by youth and beauty, and that appearance of good humour which youth and beauty generally give, had married a woman whose weak understanding and illiberal mind had very early in their marriage put an end to all real affection for her. Respect, esteem, and confidence had vanished for ever; and all his views of domestic happiness were overthrown. But Mr. Bennet was not of a disposition to seek comfort for the disappointment which his own imprudence had brought on, in any of those pleasures which too often console the unfortunate for their folly or their vice. He was fond of the country and of books; and from these tastes had arisen his principal enjoyments. To his wife he was very little otherwise indebted, than as her ignorance and folly had contributed to his amusement. This is not the sort of happiness which a man would in general wish to owe to his wife; but where other powers of entertainment are wanting, the true philosopher will derive benefit from such as are given.
Elizabeth, however, had never been blind to the impropriety of her father’s behaviour as a husband. She had always seen it with pain; but respecting his abilities, and grateful for his affectionate treatment of herself, she endeavoured to forget what she could not overlook, and to banish from her thoughts that continual breach of conjugal obligation and decorum which, in exposing his wife to the contempt of her own children, was so highly reprehensible. But she had never felt so strongly as now the disadvantages which must attend the children of so unsuitable a marriage, nor ever been so fully aware of the evils arising from so ill-judged a direction of talents; talents, which, rightly used, might at least have preserved the respectability of his daughters, even if incapable of enlarging the mind of his wife.
When Elizabeth had rejoiced over Wickham’s departure she found little other cause for satisfaction in the loss of the regiment. Their parties abroad were less varied than before, and at home she had a mother and sister whose constant repinings at the dullness of everything around them threw a real gloom over their domestic circle; and, though Kitty might in time regain her natural degree of sense, since the disturbers of her brain were removed, her other sister, from whose disposition greater evil might be apprehended, was likely to be hardened in all her folly and assurance by a situation of such double danger as a watering-place and a camp. Upon the whole, therefore, she found, what has been sometimes found before, that an event to which she had looked forward with impatient desire did not, in taking place, bring all the satisfaction she had promised herself. It was consequently necessary to name some other period for the commencement of actual felicity—to have some other point on which her wishes and hopes might be fixed, and by again enjoying the pleasure of anticipation, console herself for the present, and prepare for another disappointment. Her tour to the Lakes was now the object of her happiest thoughts; it was her best consolation for all the uncomfortable hours which the discontentedness of her mother and Kitty made inevitable; and could she have included Jane in the scheme, every part of it would have been perfect.
“But it is fortunate,” thought she, “that I have something to wish for. Were the whole arrangement complete, my disappointment would be certain. But here, by carrying with me one ceaseless source of regret in my sister’s absence, I may reasonably hope to have all my expectations of pleasure realised. A scheme of which every part promises delight can never be successful; and general disappointment is only warded off by the defence of some little peculiar vexation.”
When Lydia went away she promised to write very often and very minutely to her mother and Kitty; but her letters were always long expected, and always very short. Those to her mother contained little else than that they were just returned from the library, where such and such officers had attended them, and where she had seen such beautiful ornaments as made her quite wild; that she had a new gown, or a new parasol, which she would have described more fully, but was obliged to leave off in a violent hurry, as Mrs. Forster called her, and they were going off to the camp; and from her correspondence with her sister, there was still less to be learnt—for her letters to Kitty, though rather longer, were much too full of lines under the words to be made public.
After the first fortnight or three weeks of her absence, health, good humour, and cheerfulness began to reappear at Longbourn. Everything wore a happier aspect. The families who had been in town for the winter came back again, and summer finery and summer engagements arose. Mrs. Bennet was restored to her usual querulous serenity; and, by the middle of June, Kitty was so much recovered as to be able to enter Meryton without tears; an event of such happy promise as to make Elizabeth hope that by the following Christmas she might be so tolerably reasonable as not to mention an officer above once a day, unless, by some cruel and malicious arrangement at the War Office, another regiment should be quartered in Meryton.
The time fixed for the beginning of their northern tour was now fast approaching, and a fortnight only was wanting of it, when a letter arrived from Mrs. Gardiner, which at once delayed its commencement and curtailed its extent. Mr. Gardiner would be prevented by business from setting out till a fortnight later in July, and must be in London again within a month, and as that left too short a period for them to go so far, and see so much as they had proposed, or at least to see it with the leisure and comfort they had built on, they were obliged to give up the Lakes, and substitute a more contracted tour, and, according to the present plan, were to go no farther northwards than Derbyshire. In that county there was enough to be seen to occupy the chief of their three weeks; and to Mrs. Gardiner it had a peculiarly strong attraction. The town where she had formerly passed some years of her life, and where they were now to spend a few days, was probably as great an object of her curiosity as all the celebrated beauties of Matlock, Chatsworth, Dovedale, or the Peak.
Elizabeth was excessively disappointed; she had set her heart on seeing the Lakes, and still thought there might have been time enough. But it was her business to be satisfied—and certainly her temper to be happy; and all was soon right again.
With the mention of Derbyshire there were many ideas connected. It was impossible for her to see the word without thinking of Pemberley and its owner. “But surely,” said she, “I may enter his county with impunity, and rob it of a few petrified spars without his perceiving me.”
The period of expectation was now doubled. Four weeks were to pass away before her uncle and aunt’s arrival. But they did pass away, and Mr. and Mrs. Gardiner, with their four children, did at length appear at Longbourn. The children, two girls of six and eight years old, and two younger boys, were to be left under the particular care of their cousin Jane, who was the general favourite, and whose steady sense and sweetness of temper exactly adapted her for attending to them in every way—teaching them, playing with them, and loving them.
The Gardiners stayed only one night at Longbourn, and set off the next morning with Elizabeth in pursuit of novelty and amusement. One enjoyment was certain—that of suitableness of companions; a suitableness which comprehended health and temper to bear inconveniences—cheerfulness to enhance every pleasure—and affection and intelligence, which might supply it among themselves if there were disappointments abroad.
It is not the object of this work to give a description of Derbyshire, nor of any of the remarkable places through which their route thither lay; Oxford, Blenheim, Warwick, Kenilworth, Birmingham, etc. are sufficiently known. A small part of Derbyshire is all the present concern. To the little town of Lambton, the scene of Mrs. Gardiner’s former residence, and where she had lately learned some acquaintance still remained, they bent their steps, after having seen all the principal wonders of the country; and within five miles of Lambton, Elizabeth found from her aunt that Pemberley was situated. It was not in their direct road, nor more than a mile or two out of it. In talking over their route the evening before, Mrs. Gardiner expressed an inclination to see the place again. Mr. Gardiner declared his willingness, and Elizabeth was applied to for her approbation.
“My love, should not you like to see a place of which you have heard so much?” said her aunt; “a place, too, with which so many of your acquaintances are connected. Wickham passed all his youth there, you know.”
Elizabeth was distressed. She felt that she had no business at Pemberley, and was obliged to assume a disinclination for seeing it. She must own that she was tired of seeing great houses; after going over so many, she really had no pleasure in fine carpets or satin curtains.
Mrs. Gardiner abused her stupidity. “If it were merely a fine house richly furnished,” said she, “I should not care about it myself; but the grounds are delightful. They have some of the finest woods in the country.”
Elizabeth said no more—but her mind could not acquiesce. The possibility of meeting Mr. Darcy, while viewing the place, instantly occurred. It would be dreadful! She blushed at the very idea, and thought it would be better to speak openly to her aunt than to run such a risk. But against this there were objections; and she finally resolved that it could be the last resource, if her private enquiries to the absence of the family were unfavourably answered.
Accordingly, when she retired at night, she asked the chambermaid whether Pemberley were not a very fine place? what was the name of its proprietor? and, with no little alarm, whether the family were down for the summer? A most welcome negative followed the last question—and her alarms now being removed, she was at leisure to feel a great deal of curiosity to see the house herself; and when the subject was revived the next morning, and she was again applied to, could readily answer, and with a proper air of indifference, that she had not really any dislike to the scheme. To Pemberley, therefore, they were to go.