このパートは Webカメラが接続されたPC で画像分類モデルを作成する演習です。
Webカメラが接続されていないPCを使用する場合は Lobeで画像分類モデルを作成 (事前に用意した画像ファイルを使用) の手順で演習します。Webカメラが接続されたPCでも周囲の環境(部屋の明るさなどで適切な画像が撮影できない場合など)によっては 事前に用意した画像ファイルを使用する パートが適することもあります。
Lobe は 画像分類モデル を簡単に作成できるツールです。
提供されているのはWindows版のみですが、無償で利用できて作成したモデルに対しても費用はかかりません。
モデルを作成するためにAIや機械学習、深層学習の知識は不要で、簡単にAI開発ができます。
Webカメラで撮影した画像をその場で学習する機能を持っているので、ここでは じゃんけんの手の形 を分類するモデルを作成します。
作成したモデルは次のステップで実際に アプリケーションに組み込んで 利用します。
新規プロジェクトを作成して学習の準備をします。
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プロジェクト画面が表示されたら、プロジェクト名を変更 します。
左上にある "Untitled" がデフォルトのプロジェクト名なので、この部分をクリックします。
例えば "Rps" (=Rock-Paper-Scissors: じゃんけん) に変更します。プロジェクト名は何でもいいので "Janken" や "GuChokiPa" など他の名前にしてもかまいません。
ただしアルファベット (先頭以外は数字でもよい) を使うのがよいと思います。
学習させる画像を取り込みます。
Lobeには、Webカメラの画像を連続して取り込んですぐに学習させる機能があります。
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取り込み領域の左下に "Rock" と入力します。
Webカメラに向けて、じゃんけんのグーを写した状態で、中央下の丸い部分をしばらく押したままにします。
画像が連写されるので、ゆっくり手の位置や角度などを変えていきます。画像は30枚程度以上、できれば 50枚以上保存するようにしてください。
途中で止めて改めて続きを連写することも可能です。"Rock" の代わりに "Gu" などのラベルしてもかまいません。
連写中に手を速く動かすと画像がブレて学習に適さないことがあります。
ブレないようにゆっくり動かします。
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同じ要領でラベルを "Paper" にして、じゃんけんのパーを連写します。
さらにラベルを "Scissoros" にして、じゃんけんのチョキを連写します。ラベルは "Paper" の代わりに "Pa"、"Scissoros" の代わりに "Choki" などにしてもかまいません。
それぞれの画像の枚数は多少違っていてもかまいません。
それぞれ 50枚程度以上 を目安に画像を保存します。
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同じ要領でラベルを "None" にして、手が写らないように 連写します。
これはじゃんけんの手が写っていない画像を追加することで 何もない (じゃんけんではない) ことを学習させるためのものです。"None" ラベルはなくてもいいこともありますが、それ以外のラベルの精度を上げるために役に立つことがよくあります。
データを用意できるのであれば "None" を追加するのがいいでしょう。
ラベルを付けて画像を保存すると、すぐに自動で学習が始まります。
学習中および学習が終わった後で、学習の品質を確認します。
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学習を最適化してスコアを上げてみます。
左上のメニューを開いて [Optimize Model] を選択します。学習の最適化とは画像を学習しなおして品質の高いモデルを作成することです。その分、学習に時間がかかります。
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ポップアップが開いたら [Optimize] をクリックします。
少し時間がかかりますが、これで学習モデルを最適化できます。今回は手順を理解することを目的としているので、元のスコアによらずモデルの最適化を実行します。
最適化後でもまだ十分なスコアにならないことがあり得ます。
このような場合は実際には、データを追加したり、より学習しやすいデータで置き換えたりします。
今回は学習後のスコアや最適化後のスコアについてはあまり気にせず、手順を理解することにします。
一般に、スコアが100%になるとは限りません。
例えば人間でも区別が難しい画像の場合は、AIにも区別は難しいと言えます。
また学習したデータの数が不十分であったりデータの偏りが大きい場合には、十分なスコアが得られないことがあります。実際の利用では、多少低いスコアであっても利用可能であり十分役に立つことがあります。
このような場合はスコアが低いことを理解したうえで、目的の用途では利用することはよくあります。 どのくらいのスコアが実用的かは、利用したい内容や目的によるので一概にいくら以上ならが利用可能かを言うことはできません。
以上でWebカメラを利用して画像分類モデルを作成できました。
続いて、今回作ったモデルを実際に アプリケーションに組み込んで利用 できるようにします。
なお、このステップでモデルを作った場合は 事前に用意した画像ファイルを使用 して学習する手順については演習する必要はありません。
Webカメラが接続されていないPCを使っている場合には、事前に用意した画像ファイルを使用 して学習してモデルを作成します。